カフェ開業までの主なスケジュールや開業資金について

カフェ開業は、少なくとも1年以上の準備期間が必要です。開業資金の相場は500?600万円であり、資金調達に不安があるなら居抜き物件を視野に入れても良いでしょう。スケジュールを把握して、資格や必要な手続きを行いつつ準備を整えることが大切です。

他の業種と比べて新規参入しやすいとされるカフェですが、開業までには乗り越えるべき壁がいくつもあります。お店のコンセプトやメニュー作りから開業資金まで、準備する要素は非常に多いです。ここではカフェの開業にあたって把握しておきたい主なスケジュール、開業資金と内装のそれぞれの相場額や居抜き物件について解説します。

カフェ開業までの主なスケジュール

カフェ 開業

カフェを開業するには、最低でも1年以上は準備期間が必要であることをまず理解しましょう。開業の1年前の時点では、主にお店の骨子となる部分の考案や計画を立てることが必須です。お店のコンセプトの考案、事業計画を作成します。 6ヶ月後の半年前になると、より具体的な行動へと移ります。1年前の時点で考えたコンセプトと予算を踏まえた、物件探しおよびメニュー作りです。物件を探しながらも店舗のデザインを考えつつ、設備・機器の選定も行います。資金調達面では、融資申請の準備も必要となります。メニュー開発とともに価格の検討、スタッフの採用に関しても計画を立てましょう。 開業の2?3ヶ月前に迫ると、物件の契約や設計および施工会社の選定・契約といった大きな出来事が待っています。他にも暖房・インテリアの選定、スタッフの募集および面接といったようにどんどんとカフェの店舗の姿が具体的になっていきます。融資の申請を行ったり、販促計画を立てたり仕入れ先を検討したりと重要な作業が多いです。 1ヶ月半を切った段階では、内装工事がスタートしていることでしょう。助成金・補助金の申請も、この時期に済ませます。お店の根幹となるスタッフの採用および 研修、店名の決定などいずれも重要です。またホームページや広告を作成して、宣伝を始めておくことも大事になります。 1ヶ月前あたりでは、必要な資格を取っておくと良いです。各都道府県で実施している講習会を受ければ取得できますが、予約が埋まっていることが多いため出来るだけ早めに受講しておくべきです。仕入れ業者を決定したり、インテリア・食器といった細かい備品を購入しておきます。 10日前には、店舗工事が終了してプレオープンの準備に取りかかっていることでしょう。料理やサービスのシミュレーション、オープン前の販促もこの時期です。

カフェ開業にかかる開業資金の相場

カフェ 開業

一般的な規模のカフェを開業するとして、必要とされる資金の相場額は500?600万円をイメージしておいてください。これは規模によって額が前後するものであり、面積や設備によっては1,000万円を超える場合も少なくありません。 開業資金の中でも店舗の確保のための費用は、占める割合が多く重要なポイントとなります。店舗を選ぶ上で覚えておきたいのは、大きく分けて賃貸契約もしくは自己所有の不動産の2つの選択肢があるという点です。一般的には賃貸契約で開業するケースが多いため、そのイメージで金額をシミュレートしてみましょう。関東地区近郊エリアであれば、1坪あたり2万円程度の相場価格です。都心の繁華街やメインストリートともなれば、金額は7?10万円まで跳ね上がります。なお敷金・保証金や礼金、仲介手数料などの諸費用はばらつきがあり、3?10ヶ月分となっています。このあたりは不動産会社に詳しく聞きつつ、予算・事業計画と照らし合わせながら選ぶようにしてください。 地域に限らず共通している料金の傾向としては、建物の中での階層の価格差です。ビルの中でも低いフロアであるほど、来客数が伸びるため必然的に賃料は高くなります。駅の近くやショッピング センターなど、こちらも集客が見込める立地であるほど敷金が高くなりがちです。場所によっては、20ヶ月分程度の敷金が必要な場合もあります。

カフェの内装工事にかかる費用相場

カフェ 開業

内装工事の費用相場は、賃料と比べてばらつきが大きいものの1つです。この理由は自宅の一部を改装する方法と賃貸物件を一から改装する方法では、金額も必要な工数も大きく変わるからです。加えて賃貸であっても、居抜き物件かスケルトン物件かによっても変わってくるという点もあります。 そのため内装工事の相場額に関しては、あくまで目安ということを念頭に置いてチェックしてください。一例として挙げると内装をシンプルに仕上げた場合は1坪あたり25?40万円ほど、素材やデザインにこだわった場合はそこから40万円ほど上乗せする形です。コンセプトによっては内装工事を行う範囲が大きく変化するため、事例ごとに調べていくのが得策です。 設備費用の目安を見ていくと、1坪あたり3?10万円となっています。空調器具や照明、オーブンなどの機器は店の規模や購入する製品のグレードによっても変動することを認識しておきましょう。テーブルとイスに関しては、専門の中古ショップでリーズナブルに揃えたとして1セット7万円前後です。コーヒーマシンや厨房機器、製氷機・冷蔵庫や食器などを中古で一式揃えたとしたら200万円ほどは掛かると見ておいてください。このあたりもコンセ プト次第で変動する部分であるため、こだわりたい方は多めに予算を組んでおく必要があります。

居抜き物件でカフェを開業するメリット

カフェ 開業

カフェを開業する際に新築ではなく、居抜き物件を検討している方も多いです。居抜き物件のメリットとして挙げられるのは、内装工事費用を抑えられる点です。厨房設備やレンジフード、ガスの配線などがそのまま使える物件であれば相当なコストダウンが見込めます。開業の際に必要な資金はいくらあっても足りないというのが、ほとんどのオーナーの頭を悩ませる要因です。開業資金の割合を大きく占めるものに内装工事費があり、これを抑えることが可能であれば開業・経営のハードルがぐっと下がることでしょう。上手くお店のコンセプトに合ったデザイン・設計の居抜き物件を見つけられたら、工事費用だけでなく期間も少なくて済みます。 また初期費用を安くできるということは、出店時のコスト回収のペースが速まることに繋がります。これにより設備への追加投資や仕入れの強化など、店舗面の充実を図ることが可能です。そのことが経営面の安定化へと繋がり、顧客満足度の上昇かつリピーターの増加へと発展することでしょう。 近隣地域への認知度が高い点も、居抜き物件のメリットです。以前は飲食店であり、次に入った業種も飲食店である場合近くをよく通る人からは認知されやす いです。広告を打たなくても既に知っている人がいる時点で、何もない物件から始めるより有利になります。

カフェ開業までの主なスケジュールを把握しよう

カフェ 開業

開業までの主なスケジュールを基に、具体的な行動への落とし込みをしておくことが大切です。カフェを開業する1年・半年前、3ヶ月・1ヶ月前といった風に期間を区切っておけば直前になって焦るという可能性を減らせます。基本的に1年前にはお店のコンセプトや事業計画・方針など大きな決めごとを行い、半年や3ヶ月前というように日時が進むにつれてその決めごとを細分化してタスク管理を行うと良いでしょう。 開業の1年前にコンセプト立案と事業計画、資金調達・返済計画を行ったら半年前までの6ヶ月間はそれを基にした物件探し、店舗デザインや設備機器の選定を行います。コンセプトが決まっていなければ、内装はおろかメニュー開発もままなりません。無事に営業開始となった後も、お店を存続させる核の部分であるため入念にコンセプト、事業計画を立てるようにしてください。返済計画および事業計画をしっかり立てているかどうかで、今後の経営はもちろん半年前の時点で行う融資申請の準備のやりやすさにダイレクトに影響を与えます。 半年前?3ヶ月前の頃には、物件を絞り込んで決めにかからなければなりません。店舗の設計や施工会社を決めるのも、この3ヶ月前のタイミングだ からです。空調・什器など大きめの設備や機器を選ぶのもこの時期であるため、平行して考えることが大切です。 1ヶ月半前には内装工事をスタートしておけば、10日前には完成が間に合います。物件の選定から設計・施工会社選び、店舗デザインの流れをスムーズにするには最初のコンセプト作りがものを言います。告知もこの時期には始めておきたいところであるため、店の名前も1年前からおぼろげながらに考えておきましょう。 1ヶ月前にはお店の基礎を整える作業、10日前の時点では最終仕上げというイメージを持っておくと良いです。備品の購入や一般スタッフの募集を経て、いよいよオープン準備へと向かうような流れになります。

理想のカフェを開業する上で大切なのは、1年以上の準備期間を用意しておくことと期間を区切ってやるべきこととスケジュールを把握しておき、それを基に迅速に行動することです。開業資金の多くを占める賃貸料や工事費は、選ぶ物件の種類・属性によって抑えることもできるため、コンセプトや事業計画と照らし合わせつつ慎重に選んでいくと良いでしょう。